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2024

0504
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2010

0407

わたしの小さな家族たちへ。


トリネシアβ版本日終了です。本番もプレイしますが!
サミシイ!さみしい!うえー(号泣)


わたしの行けないところへ行ってしまう彼らを忘れずいるために。
二次創作文章には含めない、ちょっとした、記録です。

 




おおきいおにいちゃんと、そのおよめさん。
ちいさいおにいちゃんと、おねえちゃん。
それからだいすきなパパとママ。
みんながいっせいにあるきだした。
びっくりして、きょろきょろきょときょと。
すぐにきづいたおよめさんが、おおきいおにいちゃんのまっしろなつばさをひっぱっている。
およめさんのつばさはきれいなあおいろ。そらのいろ。いまはまだないうみのいろ。
みとれていると、あわてたおおきいおにいちゃんがぱたぱたとんできてくれた。

(末の子、三男: ハルー 2010.3.30生まれ)



「ハルー、行くよ」

まだ幼い弟が置いてけぼりにされていることに気づかないなんて、父母もやはり新しいとびらの向こうへ行くことにはいくらかの不安を抱いているのだろうか。
僕の隣には、僕の妻がいる。
この世界で子供を育むことはできなかったけれど、あちらでいずれ僕は父に、彼女は母になるのだろう。
そうしたら彼らはおじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれるのだ。
そう考えたら、もっとしっかりしなくちゃ、と思えてくる。
僕は一番はじめにこの2羽の白と黒のトリたちからこの世界で生まれた、彼らそっくりそのままのような姿をしたトリだ。
だから新しい世界で、僕は彼らのように温かで賑やかで穏やかな生活を築くんだ。
それにはもちろん、君が必要だよ。

(初めの子、長男: チハル 2009.12.17生まれ)



「もちろんよ、チハル。きっと楽しいわ、幸せだわ、あなたたちがいるもの」

一番下の義弟が追い付いてくるのを待って、手を差し出す。
重ねられた小さな翼が、実家に残してきた小さな兄弟のものよりも小さい。
そっと握って歩きだすと、よちよちとあとを追ってくる。
この翼がどれくらいか大きくなる頃、きっとわたしはおかあさんになっている。
わたしのコトリがこの小さな小さな叔父に手を引かれているところを想像すると、それだけで微笑みが浮かぶ。
ちょっぴり怪訝な顔でわたしを見た彼が、まるでわたしの考えていることがわかったように笑った。
そのとき、遠くに青のトリたち。
彼らも同じ、新しいとびらの向こうへ向かっている。
心配そうに、わたしを振り返り振り返り歩いていく。
大丈夫、心配ないわ。
わたしにはわたしの新しい家族たちと、あなたたちに愛された想い出がある。

(長男の嫁: クララ 2010.3.26結婚)



「クララねえさん。にいさんも早く。みんな先に行ってしまうよ」

義姉の視線の先には空の色、今までの世界にはなかった海の色をしたトリたちがいる。
もうぼくはハルーのような赤ん坊ではないから、たくさんのことを知っている。
クララねえさんは、チハルにいさんのお嫁さんで妻。
ぼくらの義姉で、とうさんとかあさんの娘、それからぼくらの家族。
でも、やっぱり懐かしいのかな、戻りたいって思ったりもするのかな、なんて考えたら、少しだけ慌てた声になってしまった。
それを読まれたのか、にいさんが少しだけ意地の悪い顔になって笑っている。
年の離れたにいさんは、優しいし賢い。
ちょっとおっとりしているけれど、とうさんみたいに頼りになる。
だけど、にいさんにはにいさんの家族ができる。
そしたらぼくが、このトリの家を守っていかなくちゃ。
それから、いつか、ぼくもクララねえさんみたいな、素敵なパートナーを見つける。
新しい家族を見つけて、愛して、守っていくんだ。
新しいとびらのむこうの世界で。

(二番目の子、次男: コハル 2010.1.14生まれ)



「コハルおにいちゃん、ねえ、だいじょうぶかな。こわくないかな」

手を繋いで歩くコハルおにいちゃんが、ちょっと遠いところを見ていたのが寂しくって、もう何回も聞いているのに聞いてしまう。
一番下のハルーちゃんは年が近いけれど、まだ小さすぎてあんまり遊べない。
一番上のチハルおにいちゃんはわたしが生まれてすぐ、クララおねえちゃんをお嫁さんにもらったから、もうおおきなトリたちの一員みたい。
コハルおにいちゃんはおにいちゃんだけど、チハルおにいちゃんほど大きくない。
一緒に遊んでくれるし、いっぱいお話してくれる。
今も手を繋いでくれる。
だから本当は、新しいとびらの世界へ行くこともそんなに怖くない。
おにいちゃんがいるもの。
それから家族のみんながいるもの。
それにわたしはもう一番小さな兄弟じゃないんだもの。

(三番目の子、長女: ミハル 2010.2.24生まれ)



「ミハル、ちゃんとおにいちゃんと手を繋いでね」

大丈夫だとわかっているけれど、つい心配で声をかけた。
振り返るとやっぱり大丈夫で、2番目の兄の手を妹がしっかりと握りしめている。
一番上のチハルは、この世界へきてすぐに生まれた。
夫とまったく同じ姿をしていて、とても嬉しかったわ。
次男のコハルは真っ白な頭羽を持っていて、とてもきれいだと思った。
三番目のミハルは初めての女の子で、まだ小さいのにおしゃまなの。
そして、四番目のハルーは、きっとこの世界よりも、新しいとびらのむこうの世界で長く育つ子。
新しい世界で、新しい時代を担う子。
その手を握って微笑むのは、つい最近娘になった、青色のクララさん。
きっと、息子と彼女の子も、次の時代を担っていくのでしょう。
ねえ、あなた。
わたしたち、その頃にはすっかりおじいちゃんとおばあちゃんですね。

(最初のトリ、お母さん: ハルロ 2009.11上旬邂逅)



「そうだね、ハルロ。何という幸せだろう。君と年を重ねられるということは」

この世界へ来た時、ツガイになった君は、さてどうしたものかと戸惑う僕に、たくさん言葉をくれたっけ。
おしゃれな服を作ろうと、素材集めにいそししむ君の目は、少女みたいに輝いていた。
できた青色のチョッキと帽子が、僕への贈り物だってわかったときには驚いたよ。
タマゴが産まれた時も、ヒナが孵った時も、一緒に喜んで、沢山びっくりして、少し大変なことだってあったけれど、幸せだった。
そしてこれからも幸せだね。
新しいとびらのむこうの世界は何が待っているんだろう。
本当は少し不安で、怖い。
でもね、好奇心に輝く君の目は、昔とまったく変わっていないから。
4羽の子どもたちと、新しく家族になってくれた、青色の娘がいるから。
最初のときよりきっと、もっと、楽しいね。
新しいとびらの、むこう側の世界で、一緒に生きてゆこう、僕の愛する温かで賑やかで穏やかな僕の家族。

(最初のトリ、お父さん: ハルル 2009.11上旬邂逅)




新しいとびらのむこうの世界はあなたたちだけのトリネシア。
わたしは別のとびらを開いて、新しい家族を見つけます。
あなたたちに負けないだけの幸福を、彼らが育みますように。
どうか祈っていてくださいね。

チハル、クララさんとお幸せに。
クララさん、あなたとチハルの子どもが見たかった。
コハル、あなたももうすぐパートナーを見つけるのかしら。
ミハル、はじめての女の子でおおはしゃぎしました。
ハルー、育ててあげられないことがわかっていたから、
切なくて、寂しくて、でも出会えたことがうれしい。

ハルル、ハルロ。
お疲れさま。
この先の幸福をわたしは祈っています。


トリの楽園、トリネシア。
ひとつの家族の巣立ちに宛てて。


みんな、みんな、だいすき!

 

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